ページ

2011年8月20日土曜日

コロンビアの里親制度

職場にもだいぶ慣れてきて、カタコトながら子どもやその子を取り巻く環境について、話し合う(よりも聞いてるだけ方がはるかに多いけど)機会が増えてきました。

最近の日本でも悲しいことに多くなってきたように思いますが、コロンビアでも育児放棄・虐待、が起きているそうです。
若いお母さんがまだ遊びたくて、っていうのもあれば、他にも子どもがいる年配のお母さんでも。
生活に余裕がない中、障害を持って生まれてきた子は尚更なのかもしれません。

コロンビアでは、そういう子どもたちを保護するICBFという、日本で言うと児童福祉法みたいな権限を持つ国立の機関があります。
お金が無い人のための医療等の社会保険としても動いていますが、そういう子どもたちにも関わり、保護したり、新しい親を探したりします。
夜になると、写真付きのプロフィールがTVで紹介されてます。
でも、もちろん見つからない子も多い。というか、見つかった子はかなりラッキーなんじゃないでしょうか。

コロンビアの生活水準は、
とても貧しい人、それよりは少しマシな人、貧しい人、普通の人、お金持ちの人
の5つに分けられる、とコロンビアの人は言います。見ていただくと分かる通り、貧しい人が圧倒的に多いんです。
だから、他の子を無償で受け入れる余裕なんてない。

そこで、「子どもを預かる」ということが仕事になります。
ICBFから子どもを預かると、育児・教育費としてお金が入ります(それなりに入るっぽい)

施設に来る親子のエストラートは1や2が多く、お金を目的に預かるお母さんも少なくないそうです。ICBFからの子を2人3人預っているという方もいます。
子どもを預かる時に、「食事や生活用品、医療やリハなど、必要なものは揃えるし、ちゃんと病院行きますよ」という契約書を交わすらしいのですが、中には「めんどくさい、お金がかかる」と来ないお母さんもいます...
障害児はもちろん「リハに行きます」という契約をするわけですが...


障害を持った子はお金が多く入るそうです。


子どもが欲しいけどできないから、受け入れたいわ、という方もいらっしゃるようです。
結構しっかり審査をするらしく、夫婦であるか、仕事をきちんとしていて収入があるか、家族関係は良いか、物は揃っているかなど事前に家をチェックするそうです。

もちろん、仲良くやっている家族もあります。
どういう経緯で、目的は何で、預かったのかは知りませんが、大事に育て、必要なリハを受け、仲良く通ってきている親子もいます。
どちらも「全部じゃない」といった感じのようです。

ちなみに預かるのは18歳まで。
その後は別の施設か働くか(?)という感じのようです。

先日、預かり先のお母さんと3歳になる女の子が来ました。
脳性麻痺でまだ身体は1歳サイズに満たず、身体はガリガリ。
手足もカチコチですでにかなりの拘縮が。
新しいお母さんの所に来たことで、初めてリハに来ることになったそうです。

日本では子どもに何かあればすぐに病院にかかることができ、またそれができるだけの知識と制度と経済力を、殆どの人が持っているかと思います。
どこの国でも普通、ではない日本での普通。

それでもコロンビアは、発展している方なのですけどね。

0 件のコメント:

コメントを投稿